学校看護論

学校看護論

~子どもの健康を守り育てる保健活動~

著|齊藤理砂子
定価3,740円(3,400円+税)
在庫:あり
仕様:B5判並製
ページ数:370
ISBN:978-4-434-29961-2
発行日:2022/04/18
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summary
   

子どもの健康課題が多様化・複雑化する現在、学校での看護・保健活動も変質しつつあり、新たな概説書が求められている。そのニーズに応えるべく、地域保健と健康増進活動、母子保健活動、精神保健活動、学校保健活動、健康危機管理における保健活動について、看護だけでなく教育の視点からも説明を加えた。また近年、医療的ケア児の通学増に伴い、教育職と保健医療職・福祉職の連携・協働が増えているが、その一助となるよう、専門職によるチームづくりについても言及した。学校で看護に関わっている方、将来関わる予定の方に必携の一冊。

contents
まえがき
第Ⅰ部  総 論
第1章 学校
  • 1.教育の目的と目標
  • 2.学校の定義
  • 3.学校の施設と設備
  • 4.学校の教職員
第2章 看護の概念
  • 1.看護の定義
  • 2.看護実践の定義と内容
  • 3.看護職
第3章 学校看護
  • 1.養護教諭が行う養護
  • 2.学校において看護職が行う看護
  • 3.学校看護の役割
第Ⅱ部  各 論
第1章 地域保健と健康増進活動
  • 1.地域保健
  • 2.健康増進活動
    1. 2. 1 健康とは
    2. 2. 2 健康増進戦略
      1. (1)プライマリヘルスケア(Primary Health Care アルマ・アタ宣言)
      2. (2)ヘルスプロモーション(オタワ憲章)
      3. (3)ヘルスプロモーティング・スクール(HPS)
      4. (4)予防医学(一次予防、二次予防、三次予防)
      5. (5)日本における健康増進戦略
    3. 2. 3 地域包括ケアシステム
      1. (1)地域包括ケアシステムとは
      2. (2)地域包括支援センターとは
      3. (3)地域包括ケアシステムの広がり
第2章 子どもの理解
  • 1.子どもの発達
    1. 1. 1 成長、発達、成熟、発育とは
    2. 1. 2 発育の段階
    3. 1. 3 発育の原則と特徴
    4. 1. 4 発育に影響を与える因子
      1. (1)内的因子
      2. (2)外的因子
    5. 1. 5 身体成長の評価
    6. 1. 6 運動機能の発達
      1. (1)粗大運動
      2. (2)微細運動
    7. 1. 7 視力と聴力の発達
      1. (1)視力の発達
      2. (2)聴力の発達
    8. 1. 8 生理機能の発達
    9. 1. 9 心理・社会的発達
      1. (1)思考
      2. (2)言語
      3. (3)情緒
      4. (4)自我
      5. (5)社会性
      6. (6)生活習慣
  • 2.発達段階ごとの特徴と課題
    1. 2. 1 乳児期(0~1歳未満)
    2. 2. 2 幼児期初期(1~3歳)
    3. 2. 3 幼児期後期(3~6歳)
    4. 2. 4 学童期前期(6~9歳)
    5. 2. 5 学童期後期(9~12歳)
    6. 2. 6 青年期前期(12~15歳)
    7. 2. 7 青年期中期(15~18歳)
  • 3.子どものセルフケア看護論
    1. 3. 1 子どもの捉え方
    2. 3. 2 セルフケア
    3. 3. 3 セルフケア能力
    4. 3. 4 セルフケア能力を引き出す看護・養護の役割
第3章 母子保健活動
  • 1.母子保健の概要
    1. 1. 1 母子保健とは
    2. 1. 2 母子保健活動の歴史的変遷
    3. 1. 3 母子保健に関する法律
      1. (1)児童福祉法(1947(昭和22)年)
      2. (2)母体保護法(1948(昭和23)年)
      3. (3)母子保健法(1965(昭和40)年)
      4. (4)次世代育成支援対策推進法(2003(平成15)年)
      5. (5)児童虐待の防止等に関する法律(2000(平成12)年)
      6. (6)子ども・子育て関連3法(2012(平成24)年)
      7. (7)成育過程にある者及びその保護者並びに妊産婦に対して必要な成育医療等を切れ目なく提供するための施策の総合的な推進に関する法律
      8. (成育基本法)2018(平成30)年)
  • 2.母子保健の動向・現状と課題
    1. 2. 1 母子保健の動向と現状
    2. 2. 2 乳幼児発育の動向と現状
    3. 2. 3 デジタルメディアの普及と課題
    4. 2. 4 思春期の健康課題
      1. (1)思春期の健康課題と支援
      2. (2)学校と保健所・市町村保健センターの連携・協働
    5. 2. 5 虐待の動向及び現状
      1. (1)虐待の分類
      2. (2)虐待の動向・現状と対策
      3. (3)虐待の要因
      4. (4)学校における虐待対応
  • 3.母子保健の施策
    1. 3. 1 乳幼児健康診査と予防接種
      1. (1)乳幼児健康診査
      2. (2)予防接種(ワクチン接種)
    2. 3. 2 小児慢性特定疾患治療研究事業
    3. 3. 3 健やか親子21(第2次)
      1. (1)健やか親子21
      2. (2)健やか親子21(第2次)
    4. 3. 4 次世代育成支援(少子化対策)
  • 4.地域における母子保健活動
    1. 4. 1 子育て世代包括支援センター
    2. 4. 2 学校教育を取り入れた子育て支援
第4章 精神保健活動(児童・思春期)
  • 1.精神保健の概要
    1. 1. 1 精神保健と精神看護
    2. 1. 2 児童・思春期の精神保健
      1. (1)学童期
      2. (2)思春期
    3. 1. 3 精神保健に関する法規
    4. 1. 4 児童・思春期の心の健康づくり施策
  • 2.児童・思春期の精神保健課題
    1. 2. 1 児童生徒の精神保健課題の動向と現状
    2. 2. 2 発達障害
    3. 2. 3 精神疾患
    4. 2. 4 スマホ・ネット・ゲーム依存
    5. 2. 5 進学に伴う精神保健課題
    6. 2. 6 その他の精神保健課題
  • 3.地域と学校における精神保健活動
    1. 3. 1 地域における精神保健活動
      1. (1)地域包括ケアシステム
      2. (2)地域における精神保健医療活動
      3. (3)地域における精神保健福祉活動
    2. 3. 2 学校における精神保健活動
      1. (1)地域連携と組織体制づくり
      2. (2)健康観察
      3. (3)健康相談と健康教育
第5章 学校保健活動
  • 1.学校保健の概要
    1. 1. 1 学校保健とは
    2. 1. 2 学校保健の歴史
    3. 1. 3 学校保健行政
    4. 1. 4 学校保健に関する法律
    5. 1. 5 学校保健計画
    6. 1. 6 保健室と保健室経営
      1. (1)保健室の機能と利用状況
      2. (2)保健室経営と保健室経営計画
    7. 1. 7 学校保健に関わる職員とその役割
  • 2.学校における保健教育
    1. 2. 1 保健教育とは
      1. (1)保健教育の構造と内容
      2. (2)養護教諭の参画
    2. 2. 2 保健教育に関する学習指導要領
    3. 2. 3 喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育
      1. (1)喫煙、飲酒、薬物乱用の現状
      2. (2)喫煙、飲酒、薬物乱用防止教育の必要性
    4. 2. 4 がん教育
    5. 2. 5 性教育
      1. (1)性に関する現代的な課題
      2. (2)学校における性教育
    6. 2. 6 歯と口腔の健康づくり
  • 3.学校における保健管理
    1. 3. 1 救急処置
    2. 3. 2 健康診断
      1. (1)健康診断の目的と役割
      2. (2)健康診断の歴史
      3. (3)健康診断の法的根拠
      4. (4)健康診断の検査項目
      5. (5)健康診断の事後措置
      6. (6)健康診断の評価
    3. 3. 3 健康観察
      1. (1)健康観察の目的
      2. (2)健康観察の法的根拠
      3. (3)健康観察の実際
      4. (4)健康観察の評価
    4. 3. 4 健康相談と保健指導
      1. (1)健康相談
      2. (2)保健指導
    5. 3. 5 感染症への対応
      1. (1)感染症対応の目的
      2. (2)感染症対応の法的根拠
      3. (3)感染症の予防と対応
      4. (4)歯科保健
      5. (5)感染症対応の評価
    6. 3. 6 環境衛生活動
      1. (1)学校環境衛生活動の目的
      2. (2)学校環境衛生活動の法的根拠
      3. (3)学校環境衛生基準の概要
      4. (4)日常点検、定期検査、臨時検査
      5. (5)学校環境衛生活動における評価
  • 4.学校保健委員会
    1. 4. 1 学校保健委員会の目的
    2. 4. 2 学校保健委員会のメンバー
    3. 4. 3 学校保健委員会の構成
    4. 4. 4 学校保健委員会の進め方
  • 5.特別な支援を要する児童生徒への看護/養護
    1. 5. 1 特別支援教育とは
      1. (1)特別支援教育の歴史
      2. (2)ノーマライゼーションとインクルーシブ教育
      3. (3)特別支援教育の場
      4. (4)特別な支援を要する児童生徒への支援
      5. (5)交流及び共同学習
    2. 5. 2 医療的ケア
      1. (1)学校における医療的ケア
      2. (2)学校における医療的ケアの意義
      3. (3)学校における医療的ケア実施に当たっての役割分担
    3. 5. 3 慢性疾患のある児童生徒への支援
      1. (1)慢性疾患のある児童生徒への支援プロセス
      2. (2)支援の留意点
      3. (3)アレルギー疾患のある児童生徒への支援
      4. (4)糖尿病のある児童生徒への支援
      5. (5)腎疾患のある児童生徒への支援
      6. (6)心疾患のある児童生徒への支援
    4. 5. 4 性同一性障害や性的指向・性自認に係る児童生徒への支援
  • 6.学校給食・食育
    1. 6. 1 学校給食・食育の歴史
    2. 6. 2 学校給食・食育の法的根拠
    3. 6. 3 学習指導要領における食育の位置付け
    4. 6. 4 栄養教諭
    5. 6. 5 食育の推進体制
  • 7.児童生徒の健康の動向と現状
    1. 7. 1 体格、異常・疾病、体力の動向と現状
    2. 7. 2 ライフスタイルの動向と現状
      1. (1)睡眠
      2. (2)食行動
      3. (3)運動
      4. (4)スマホ、ゲーム機などの視聴
第6章 健康危機管理における保健活動
  • 1.健康危機管理
    1. 1. 1 健康危機管理のプロセス
    2. 1. 2 リスクマネジメントとリスクコミュニケーション
  • 2.学校における健康危機管理
    1. 2. 1 学校における健康危機管理とは
    2. 2. 2 学校の管理下における事故の概況
    3. 2. 3 学校安全
      1. (1)学校安全の定義(学校安全の目的、領域、活動)
      2. (2)学校安全の構造
      3. (3)学校安全計画
      4. (4)危険等発生時対処要領(危機管理マニュアル)
      5. (5)学校安全の法的根拠
      6. (6)学校安全における養護教諭の役割
  • 3.災害時における学校保健活動
    1. 3. 1 災害とは
    2. 3. 2 災害対応に関する法律・社会資源
      1. (1)災害対応に関する法律
      2. (2)災害対応に関する社会資源
    3. 3. 3 災害の種類別にみた健康課題
      1. (1)災害による健康への影響
      2. (2)クラッシュ症候群(圧挫症候群)
      3. (3)コンパートメント症候群
      4. (4)感染症
      5. (5)急性ストレス障害(ASD)・心的外傷後ストレス障害(PTSD)
    4. 3. 4 災害サイクル各期における災害対策と学校保健活動
      1. (1)災害サイクルとは
      2. (2)静穏期
      3. (3)急性期
      4. (4)復興期
  • 4.学校における救急処置(応急手当)
    1. 4. 1 救急処置(応急手当)とは
      1. (1)学校保健安全法における救急処置
      2. (2)教職員の役割
    2. 4. 2 救急処置の実際
      1. (1)フィジカルアセスメント
      2. (2)急病の救急処置
      3. (3)けがの救急処置
      4. (4)救命処置
      5. (5)一次救命処置における心肺蘇生
  • 5.感染症集団発生時の学校保健活動
    1. 5. 1 集団発生とは
    2. 5. 2 学校における感染症の特徴
    3. 5. 3 集団発生時における基本対応
      1. (1)集団発生時における危機管理の基本的心得
      2. (2)集団発生時における対応のプロセス
第7章 専門職連携・協働 ~学校看護(養護活動)におけるチームづくり
  • 1.チームの可能性
    1. 1. 1 チームとは
      1. (1)多職種チームの類型
    2. 1. 2 チームに求められる要素
      1. (1)チームに求められる要素とは
      2. (2)心理的安全
      3. (3)学習
      4. (4)チーミング
      5. (5)学習とチーミングの関係
  • 2.チーム医療
    1. 2. 1 チーム医療の定義・背景・関係職種
      1. (1)チーム医療とは
      2. (2)チーム医療が求められる背景
      3. (3)チーム医療の関係職種
    2. 2. 2 チーム医療の4つの構成要素
  • 3.チーム学校
    1. 3. 1 チーム学校の定義・背景
      1. (1)チーム学校とは
      2. (2)チーム学校が求められる背景
    2. 3. 2 「チーム学校」を実現するための3つの視点
      1. (1)専門性に基づくチーム体制の構築
      2. (2)学校のマネジメント機能の強化
      3. (3)教職員一人一人が力を発揮できる環境の整備
    3. 3. 3 チーム学校における養護教諭、保健室の役割
      1. (1)養護教諭の役割
      2. (2)保健室の役割
    4. 3. 4 学校保健活動のマネジメント
    5. 3. 5 学校におけるチームとしての対応の例
  • 4.保健、医療、福祉と学校の連携・協働のあり方
    1. 4. 1 保健、医療、福祉と学校の連携・協働の必要性
    2. 4. 2 一次予防、二次予防、三次予防における連携・協働
      1. (1)一次予防における連携・協働
      2. (2)二次予防における連携・協働
      3. (3)三次予防における連携・協働
    3. 4. 3 医療と教育の連携・協働の必要性
    4. 4. 4 地域保健と学校保健の連携・協働
  • 5.専門職連携・協働教育
あとがきにかえて
  • 索 引
introduction
齊藤理砂子(さいとう りさこ)

淑徳大学 総合福祉学部 教育福祉学科 教授。千葉大学医学部附属病院で看護師として勤務した後、千葉市内小中学校の養護教諭を経て、2017年より現職。東京学芸大学大学院 連合学校教育学研究科 学校教育学専攻 博士課程修了(教育学博士)。専門は学校看護論、ヘルスプロモーションなど。「子どもの健康を守り育てる保健活動」の実践に向けて、教育職と保健医療職・福祉職との協働に重きをおいた学校看護の研究および教育に従事している。
著書に、『標準保健師講座・3対象別公衆衛生看護活動』(共著、医学書院)、『学校の事例から学ぶ フィジカルアセスメント ワークブック』(共著、北樹出版)、『健康科学 ヘルスプロモーション』(共著、聖学院大学出版会)、『目で見てわかる応急手当マニュアル~教育・保健・福祉領域で健康支援に関わる専門職のために~』(共著、ふくろう出版)、『養護教諭、看護師、保健師のための 新版 学校看護-すべての子供の健康実現を目指して-』(共著、東山書房)、『看護判断のための気づきとアセスメント 地域・在宅看護』(共著、中央法規出版)などがある。

※発行時の奥付より
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