日本語と朝鮮語の方言アクセント体系と両言語の歴史的関係に関する理論的・実証的研究

日本語と朝鮮語の方言アクセント体系と両言語の歴史的関係に関する理論的・実証的研究

-比較言語学、言語接触、歴史社会言語学の視座から-

著|板橋義三
定価2,750円(2,500円+税)
在庫:なし
仕様:A5判並製
ページ数:285
ISBN:978-4-434-25824-4
発行日:2019/03/29
summary
   

日本語と朝鮮語の方言アクセント体系において、どのようにそれぞれのアクセント祖形から現代方言アクセント体系が生じてきたのか、そのアクセント祖形がどのような特色を持っていたのか、また、その両言語におけるアクセント上の関係はあったのかどうかなども議論した。さらに朝鮮半島において両言語がどの時期にどの地理的位置を占め、その双方がどのような関係にあったのかを議論したものである。

contents
  • 謝 辞
  • 凡 例
  • 図表一覧
第1部 方言アクセントについて
序 章
  • 0.1 本研究に至った経緯
  • 0.2 章立ての構成と概観
第1章 本研究の目的と内容、具体的方法論
  • 1.1 研究の目的と内容
  • 1.2 具体的な研究方法
第2章 方言アクセントの捉え方
  • 2.0 序 アクセントとは
  • 2.1 方言アクセントとは
  • 2.2 どうして方言アクセントを問題にするか
  • 2.3 方言アクセントの種類
  • 2.4 方言アクセントと声調
  • 2.5 昇りアクセント核と下りアクセント核
  • 2.6 方言アクセント体系
第3章 日本語と朝鮮語のアクセントの変化の捉え方
  • 3.0 言語・方言の体系の変化の捉え方
  • 3.1 日本語の方言の変化の捉え方
  • 3.2 日本語の形成とアクセントの形成の関係性
  • 3.3 日本語句内のアクセント変化方向の類型
  • 3.4 朝鮮語のアクセントの変化の捉え方
  • 3.5 朝鮮語の形成とアクセントの形成の関係性
    1. 3.5.1 アルタイ諸言語のアクセント体系
  • 3.6 朝鮮語のアクセントの変化方向の類型
第2部 日本語の方言アクセントの通時的・共時的視座から
第4章 日本語の諸方言のアクセント
  • 4.0 どうして日本語方言のアクセントか
  • 4.1 九州北部沿岸方言のアクセント:先行研究とアクセント調査
    1. 4.1.1 福岡北部沿岸方言
    2. 4.1.2 佐賀北部沿岸方言
    3. 4.1.3 長崎北部沿岸方言
  • 4.2 九州北部祖方言のアクセント祖体系
第5章 古代日本語のアクセント体系
  • 5.0 序
  • 5.1 類聚名義抄による平安末期のアクセント体系
  • 5.2 「通説」について
    1. 5.2.1 通説の問題点
  • 5.3 有核(昇り核と下り核)のアクセントの存在
第6章 日本祖語のアクセント体系
  • 6.0 序
  • 6.1 先行研究概観
    1. 6.1.1 先行研究
      1. 6.1.1.1 上野善道(1985、2006)
      2. 6.1.1.2 松森晶子(1993; 1998)
      3. 6.1.1.3 山口幸洋(1998)
      4. 6.1.1.4 添田建治郎(1996)
  • 6.2 日本祖語のアクセント体系
  • 6.3 日本語の方言アクセントの分岐
第3部 朝鮮語の方言アクセント
第7章 朝鮮語の諸方言のアクセント
  • 7.0 どうして朝鮮語方言のアクセントか
  • 7.1 朝鮮半島南部・東北部沿岸方言のアクセント:先行研究とアクセント調査
  • 7.2 慶尚南道方言(山清、晋州、蜜陽、昌寧、昌原、宣寧、咸安、馬山、金海、釜山、蔚山)
    1. 7.2.1 山清方言
    2. 7.2.2 晋州方言
    3. 7.2.3 密陽方言
    4. 7.2.4 昌原方言
    5. 7.2.5 宜寧・咸安方言
    6. 7.2.6 金海方言
    7. 7.2.7 釜山方言
    8. 7.2.8 蔚山方言
  • 7.3 慶尚北道方言(尚州、大邱、慶州、安東、奉化郡)
    1. 7.3.1 尚州方言
    2. 7.3.2 大邱方言
    3. 7.3.3 奉化方言
  • 7.4 全羅南道方言(光陽)
    1. 7.4.1 光陽方言
  • 7.5 咸鏡道方言(咸鏡道)
    1. 7.5.1 咸鏡道方言
  • 7.6 全体としてのまとめ
第8章 中世朝鮮語(中世語)のアクセント体系
  • 8.0 序
  • 8.1 中世朝鮮語(中世語)の概観
  • 8.2 中世朝鮮語の昇り核
  • 8.3 上声「R」「: 」の考え方
  • 8.4 中世朝鮮語のアクセント体系
  • 8.5 中世朝鮮語のアクセント体系と現代諸方言のアクセント体系への分岐
第9章 古代朝鮮語のアクセント体系
  • 9.0 序
  • 9.1 三国時代の高句麗語と百済語・新羅語の歴史的位置関係
    1. 9.1.1 歴史学、言語、人類学、考古学の観点から見た朝鮮半島の歴史
    2. 9.1.2 三国時代の高句麗語と百済語・新羅語の歴史的位置関係
  • 9.2 方言分派の歴史言語学的説明
  • 9.3 古代朝鮮語のアクセント体系
第10章 朝鮮祖語・扶余祖語のアクセント体系と方言アクセントの分岐
  • 10.0 序
  • 10.1 中世語から咸鏡道方言・慶尚道方言へ、朝鮮祖語から中世語への変化
    1. 10.1.1 早田(1999)の見解
    2. 10.1.2 福井(1985; 2013)、伊藤(1999)の見解
    3. 10.1.3 ラムゼイ(1990)Ramsey (1978, 1986, 1991, 2001, 2018) の見解
    4. 10.1.4 Ito (2013) の見解
第4部 日本語・朝鮮語の方言アクセントの通時的視座から
第11章 日朝方言のアクセント比較による史的関係
  • 11.0 序
  • 11.1 日本祖語と朝鮮祖語のアクセントに関する異同
  • 11.2 朝鮮祖語・扶余祖語のアクセント体系
  • 11.3 朝鮮半島の前朝鮮語・朝鮮祖語と前日本語
  • 11.4 古資料の信頼性、扱い方、解釈の仕方
  • 11.5 高句麗語と日本語に音韻対応する語彙に関する考え方
  • 11.6 朝鮮半島における前日本語基層説
    1. 11.6.1 アクセント研究を支える議論の枠組み
    2. 11.6.2 朝鮮半島における基層語としての前日本語
  • 11.7 言語・方言接触(習得、交替、継承)の理論的枠組みとアクセント
  • 11.8 朝鮮半島における無アクセントの位置づけ
  • 11.9 社会言語学的要因による言語接触によるアクセント変容
    1. 11.9.1 言語交換、方言交替の理論的基盤
    2. 11.9.2 言語死語化
第12章 終章 結論
  • 12.1 日本祖語と朝鮮祖語のアクセント体系の史的関係
  • 12.2 今後の課題
introduction
板橋義三(いたばし よしぞう)

1987年ワシントン大学東洋学部日本語学科助手、豪州メルボルン大学東洋学部日本語学科助教授を経て、1989年に九州大学言語文化部日本語科に助教授として着任。現在、九州大学大学院芸術工学研究院コミュニケーションデザイン科学部門言語学担当教授。米国Brown Universityで言語学修士号、University of Washington (Seattle)でアジア言語学博士号を取得。専門は比較言語学、地域言語学、接触言語学、通時言語類型論。

【主な著書・訳書】

※発行時の奥付より
grant

日本学術振興会科学研究費補助金による助成出版

binding
アイヌ語・日本語の形成過程の解明に向けての研究

アイヌ語・日本語の形成過程の解明に向けての研究

-地域言語学、言語類型論、通時言語学を基盤にした学際的アプローチ-

  • 著|板橋義三
マタギ語辞典

マタギ語辞典

  • 著|板橋義三